ビジネス用心理学
公開日:2016.05.20

サンクコスト効果(コンコルド効果)~投資を止められない心理~

サンクコスト効果と言う経済学用語を聞いたことはあるでしょうか?日本語に直すと「埋没費用」と言う言葉。心理学ではコンコルド効果とも言います。

今までかけた投資の時間や費用、精神的な想いに対して、返って来る見込みが明らかに少ないのに、今まで掛けた費用や労力を惜しみ、少しでも元を取ろうと(もしくは投資分だけでも全額回収しようと)した事はほとんどの人が公私共に経験があるはずです。例えば、

・ゲームで飽きてきたにも関わらず、今まで集めた武器や課金費用を考えるとやめるのが勿体無い。
・彼氏(彼女)との未来を信じてきた時間や費用が無題になるので、幸せのためには見切りをつけなくちゃと思っても別れられない
・事業投資でかなりの費用や時間を投資したので、利益は出ないかも知れないが、せめて投資金額だけでも回収したい
・株やFXで損切りしたほうが良い流れなのに、投資金を回収する期待を込めて塩漬けしたり、ナンピン買いして少しでも損を減らそうとする
・ギャンブルで投資金額をあと少しで回収できそうと錯覚する
・UFOキャッチャーで、中々取れないと気付いたにも関わらず、投資したお金が悔しくて、現金で買ったほうが割安と理解しながらも意地になる
・長蛇の列に並んだけども、耐え切れなくて離れようか考えたりもするが、途中で離れたら今まで並んだ時間が勿体なくて、並び続けてしまう

などなど経営者に限らず、こういった経験は経験は無いでしょうか?

これを経済学ではサンクコスト効果と言います

先に記述したようにサンクコストは経済用語で埋没費用のこと。投資した金額が惜しくて、元を取れるまでもがいて、より損失を膨らませてしまうことを指します。

先行投資が必要なものには全てこの心理が働くと言っても過言では無いでしょう。不動産投資、株式投資、為替投資、先物投資などの資金運用をはじめ、ビジネスでは商業施設の投資、箱物ビジネス(飲食店や美容室、エステサロン、ホテル業など)、ITビジネスの開発や広告投資、その他、営業コストなど先立って労力や費用を投資するケースは多いはずです。しかし投資である以上、途中で回収できない見込みが出てくることもままあります。合理的に判断すると、損切りのために保有している投資資産の売却、事業撤退が合理的な判断です。しかしそういった時に出てくるのがタチの悪いこの心理状態。損をしたくない、元を取りたいと言う人間の心理が出てくるのです。

心理学ではコンコルド効果(コンコルドの過ち、コンコルド錯誤)とも呼ぶ

イギリスとフランスが共同開発した音速機のコンコルドから由来しています。1970年代に4,000億円と言う巨額の赤字を計上したにも関わらず、それまでの費用や時間を回収しようと粘り、こだわり続けた結果、累損は数兆円にものぼり、ついには破産してしまいます。

大国同士の共同開発のプライドがあったのだと思われますが、4,000億円の赤字の経常の段階で事業の見直しを図るのが一般的だと思われますが、意地になり損失を膨らませてしまったことからコンコルド効果などと呼ばれるようにもなりました。

サンクコスト効果、コンコルド効果、呼び方は違えど概要は同じですが、これらの心理状態は幼児や動物では無い感情で、損得勘定の働く成人にのみ起こる状態だそうです。と言うことは我々大人は頭で色々と計算したりして、感情的になっているのでしょう。その頭での計算をもう少し正しい判断をするように再設定する必要がありそうです。

対応策は、「損切り」の勇気

日本人の美徳でもあり、個人的にも大事にしたい精神として「もったいない」と言う言葉があります。これらは無駄使いや、まだ使えるものを使いきらない時にはとても有益な言葉ですが、投資への損切りと一色単にしてしまうとタチの悪い言葉になります。損切りの得意な民族は一般的に商売上手なユダヤ人だと言われ、特に投資や金融の世界では損切りの上手なユダヤ人が活躍してるのも見過ごせません。

我々はこう言った「もったいない精神」と「損切りの精神」を心理効果を認識し、冷静に対応しなくてはなりません。個人的にも「もったいない」を美学とする日本人の精神は好きですし、大事にしたいと思いますが、競争の激しい経済社会では「損切り」こそ利益確保には大事です。

このサービスや店舗、開発に◯ヶ月費やした、何百万円投資したなど日常的に投資を行うのも経営者の仕事ですが、回収を見込めないと判断すれば、勇気を持った撤退も経営者の仕事です。周囲は失敗した、判断ミスをしたと言うかも知れませんが朝令暮改も仕事の1つです。

起業家になりたい、ミュージシャンになりたい、俳優になりたい、と夢ばかり語り、目が中々出ないヒモの彼氏に貢ぎ続けるぐらいなら、見切りを付けて新しい人を探したほうが早く幸せになれる可能性が高い構図と似ています。

このような恋愛と同じく、事業投資も盲目にならないように意識しましょう。

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執筆者:藤 勝行 (http://xlab.co.jp)

4年間経営した会社を倒産後、再度起業したインターネット広告代理店(エックスラボ)を3期目で年商約10億円グループにまで成長させる。集客をしたい中小企業の経営者や大手企業の担当者、同業他社までも参加するセミナーを開催する起業家。広告マン兼マーケッター。

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