独りごと
公開日:2016.08.29

少人数経営で重要なことは規模ではなく生産性

弊社は創業から4年目になりますが、ずっと少人数経営を続けています。正社員数はエックスラボ単体では6名、社長である僕を含めても7名の小さな組織です。このスタッフ数も今期から4名増えたので、3期目までは3名、2期目までは僕1人でした。しかし、この人数体制でも、売上げは3期目で約5.5億円を売上げ、顧客への売上げ貢献額も150億円を超えています。参考までに・・・倒産させてしまった前の会社ではスタッフ数35名で、約3億円の売上げでした。

再起業後に、大きく変えたのは「生産性」への意識。具体的には1人当たりの生産性です。我々、中小零細企業は規模では大企業に勝てません。ここで言う規模とは売上額、利益額、スタッフ数、営業(開発)拠点数、株主数などの事を指しています。当たり前ですが、我々中小零細企業は上場企業に代表されるような大手企業には規模では勝ち目がありません。

中小企業が大手企業に唯一勝てる可能性があるのは従業員1人当たりの粗利額

売上ではなく、粗利が重要なのは、粗利とは様々な経費の財源だからです。試算表で見ると、この粗利を源泉に販管費(給料や事務所家賃、広告宣伝費、営業経費、接待交際費等)が捻出されます。粗利額を経費が越えれば赤字です。という事は、どうあがいても1人当たりの粗利額以上に給料が増える事も、環境が良くなることも無いという事です。

逆に言えば、会社の生産性(1人当たりの粗利額)が高まれば、給料を含む全ての経費の原資になり、競争力を高める事が出来ますので、売上から原価を引くと出てくるこの粗利益の額を従業員1人当たりでいくら稼ぎ出しているのか?という事が少人数経営では重要になってきます。

粗利額の目安の目標数字は、中小企業は年間従業員一人当たり1,000〜1,500万円、上場企業は1,500〜2,000万円と言われていて、間接経費等はこの中から賄われます。もちろん、業種業態によってこの数字は変わってきますが、概ねこの周辺の数字になるでしょう。

先ほど、中小企業は規模では大手企業に勝てないと書きましたが、こうやって目標数字を書くと1人当たりの生産性では勝てそうな数字に見えないでしょうか?例えば少し古い数字(2011年)ですが、

パナソニックは1人当たりの粗利額は約600万円、シャープは約730万円、NECは約830万円となっています。※上場企業は有価証券報告書が公表されていますので粗利額を従業員数で割ると出てきます。

この数字は何万人といる企業としてはかなり厳しい数字で、数年経った今、これらの企業は数万人規模の大規模のリストラを行ったり、外国資本の傘下に入ったりと倒産の危機にあいました。

逆に直近の生産性の高い企業では、国際石油開発帝石(1人当たり2億5千500万円)、松井証券(1人当たり2億1,847万円)、ジャフコ(1人当たり1億7,170万円)などぶっちぎりの企業もあります。こういった会社は社員の【平均年収】も1,000万円前後あり、かなり社員に還元していることが分かりますし、株主還元も大きいです。※この3社の数字は粗利額ではなく、営業利益額なので粗利額よりも価値ある数字です。

意識を変えることから始める

1人当たりの給料と会社への数字の貢献度が合っているかどうかを意識する事が重要です。そして合っていなければ、生産性を高める施策を考えなければいけません。どこで何が生産性を下げるボトルネックになっているのかを突き止め、対策を講じなければ何も変わりません。

弊社の場合は粗利益率が少ないビジネスモデルな上に、少人数なので、外注などのパートナーさん、関連会社、取引先などに業務を依頼する事も多く、なおさら粗利額は下がります。サービスのクオリティを担保するためにも原価はかなり掛かっています。ですので、ターゲットであるペルソナを考える事から再考しました。すると粗利益率は低いのですが、一定以上の生産性を保つ事が可能になり、人材を含めた様々なものに再投資出来るようになりました。

会社によっては納品に10日掛かっていたのがボトルネックであれば、そこを改善し7日で納品できる様になれば、単純計算で30%の生産性が向上しているはずですし、10人のスタッフで2人が足を引っ張っていれば、そのスタッフの改善(再教育や配置転換、リストラなど)でもそれなりに生産性は変わるでしょう。もしくは会社として、教育費や人件費、広告宣伝費などに消極的な投資、もしくは積極的に削減をしている意識が生産性を下げている可能性もあります。

効率ばかり追い求めると、失うものがあるかも知れません。サービスのクオリティ、会社のブランド価値、気持ちのゆとりなどがそれに当たるでしょうか。しかし経営とは、こう言った重要なものを担保しつつ、効率化を目指すものです。もう少し言うと、1人当たりの生産性が高ければこれらの重要なことは必然と高められます。ニワトリと卵の議論になりそうですが、自社の理念に従いまずは1人当たりの生産性(粗利額)を高めるんだ!と意識を変えることで、思考は最適化されていくはずです。

個人的には過去の経験から、現預金、キャッシュフロー、1人当たりの生産性を意識しています。この3つを意識すると判断も明確になり、ビジネスモデルやマーケティング活動も逆算的に考える事になると思っています。

※細くはPLもBSもCFも資金繰り表も全てしょっちゅう目を通していますし、自己資本比率(一般的には40%を超えると会社は潰れないと言われる)などは最低でも50%以上は保っておきたいと考えていますし、なるだべくBSを軽くしたいと常に思っています。まだまだ改善と勉強の途中ですが、意識する事から始まります。

我々中小は、業界の大手には「額よりも、生産効率を求めないと勝てない」と言う事を肝に銘じて、スタッフと共に毎日を頑張りましょう。

 

Web集客の基本を覚えて自分で集客する方法
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執筆者:藤 勝行 (http://xlab.co.jp)

4年間経営した会社を倒産後、再度起業したインターネット広告代理店(エックスラボ)を3期目で年商約10億円グループにまで成長させる。集客をしたい中小企業の経営者や大手企業の担当者、同業他社までも参加するセミナーを開催する起業家。広告マン兼マーケッター。

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