ビジネス用心理学
公開日:2016.06.10

アンカリング効果をマーケティングに活用する方法

私達は、物事を判断する時に最初に見た数字や、印象に残った数字によって、その後の判断に影響をおよぼす事が多々あります。百貨店の外商のイベントなどはあえて億単位の商品を並べ、それ以外の商品が安く見えるように品揃えを並べたりもするようです。そうする事により、その他の商品が安く感じられる様になるというその効果を「アンカリング効果」と言います。

アンカリング効果とは

アンカリング効果の言葉の由来は、錨(アンカー)です。船が錨を降ろすと海底に沈んだ錨を基点に船が繋がれた範囲内でしか動けない例えから、最初に見た印象の強かった数字や物がその後の判断に影響を与えるてしまうという効果です。このアンカリングは、アメリカの心理学者エイモス・トベルスキー氏(Amos Tversky)とノーベル経済学賞を受賞したアメリカの心理学者・行動経済学者のダニエル・カーネマン氏(Daniel Kahneman)が最初に理論化したと言われています。

アンカリング効果のマーケティングへの活用

ビジネスの世界においては、このアンカリング効果を狙ったマーケティング方法が当たり前のようによく使われています。一番よく使われているのは、価格表です。例えば1,980円の美容液があった場合、通常であれば顧客は製品の品質や利用価値を吟味して、価格に見合ったものかどうかを検討して買うかどうかを判断します。

お肌潤う美容液 通常価格 1,980円よりも、

お肌潤う美容液 通常価格 5,980円が、今なら特別価格 1,980 円

「通常価格 5,980円 → 特別価格 1,980円」と表示することで、最初に提示した通常価格5,980円という情報がアンカーとなり、5,980 円という価格に対して「3,000 円も値引きされている」という判断がなされ、お買い得に感じられます。これが、まさにアンカリング効果です。

アンカリング効果は消費者の判断に影響を及ぼす

価格のアンカリング効果によって、顧客は購入するかどうか判断する際に、品質や性能よりも価格や割引率といった数字に注目しがちになります。このような価格判断は、衝動買いにも大きな影響を及ぼしていることがわかっているそうです。

ただし、購入者が事前に市場価格についてよく調べている場合には、アンカリング効果は、あまり影響しません。それは、価格表示がされている広告を見る前に、すでに適正価格の情報があるからです。このようなお客様にはアンカリング効果の認知バイアスが機能しません。

また「先着○○名様」「限定○○名様」などのキャッチコピーを見かけたことはありますよね。実はこれらもアンカリング効果を利用しています。期間や先着を限定して、値引き前の価格と値引き後の価格を同時にお客様に見せることによって、アンカリング効果期待しています。また、メーカー希望小売価格を値引き後の価格と同時に広告やポップ、Web サイトに掲載するのもアンカリング効果を活用した例です。

アンカリング効果を価格に利用する場合は、下記のように比較してみましょう。

1 通常価格と比較する

2 他社価格と比較する

3 メーカー小売希望価格と比較する

またちょっとしたテクニックですが、アンカリングの倍増効果を狙ったものもあります。2段階でアンカリング効果を使用すると、さらに効果がUPします。『通常価格 698,000 円のところ、300,000 円割引の特別先着限定価格 398,000 円のところ、さらに!本日ご購入していただけるお客様だけにさらに 10,000 円割引の 388,000 円でご提供させていただきます。この機会をお見逃しなく!』などは、2段階で割引やお得感を出すことにより、アンカリング効果を2重で出す事が出来ます。

 

アンカリング効果を使う際の注意点

アンカリング効果を使ったマーケティングは、手間も経費も全くかからないので簡単に使えますが、価格表示は自由自在にできるわけではありません。二重価格表示に注意してください。

アンカリング効果を使って販売価格を安く見せるために、通常に販売していた価格より、通常価格の表示を不当に引き上げた場合、このような価格表示は二重価格表示と呼ばれ、景品表示法違反になります。アンカリング効果を狙って、通常価格を高くみせかけて売りたい場合、同じ店舗内で通常価格での販売実績が一定期間必要となります。

尚、過去の販売価格(通常価格)と比較する場合は、セール開始時点から過去8週間のうち、4週間以上の販売実績が必要で、8 週間以内の場合には、販売期間の過半で、2週間の販売実績が必要だそうです。

二重価格表示の詳細は、消費者庁のホームページでご確認ください。

http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/nijukikaku.html

 

アンカリング効果を適切に活用しましょう

アンカリング効果はマーケティングや販売などでよく活用されていますが、価格表示の際には二重価格にならないように十分注意してください。そして、毎回「限定」や「特別」などを使いすぎて、お客様に安いと錯覚させ続けると、信頼残高が減り続け、お客様の信用がなくなる場合もあるかもしれませんので、使用頻度や使い方に十分に気を付けて活用しましょう。

信頼残高を減らすことの無いように適切に活用すれば、お客様の判断にいい影響を及ぼし、売上アップを図ることが出来ます。

 

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執筆者:藤 勝行 (http://xlab.co.jp)

4年間経営した会社を倒産後、再度起業したインターネット広告代理店(エックスラボ)を3期目で年商約10億円グループにまで成長させる。集客をしたい中小企業の経営者や大手企業の担当者、同業他社までも参加するセミナーを開催する起業家。広告マン兼マーケッター。

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