リスティング広告のキーワードは「間引き」が必要

以前、「リスティング広告運用は、お花を育てるのと似ている」という記事を書いたことがあります。お花を育てるときに、水やりや肥料はもちろん欠かせないのですが、今回は「間引き」をテーマにしてみましょう。
「間引き」とは、芽や苗を少量だけ残して、その他は取り除いてしまうことです。お花のことをよく知っている方は当たり前のことかもしれませんが、せっかく育ってきた芽や苗を取り除く・・・。なんだかもったいないですよね。
できればたくさんの芽からたくさんの花を咲かせて・・・と思うのは当然ですが、どうやら間引きをしないと良い苗を育てることができないようです。すべてに栄養が行き渡らなくなり、すべてがダメになって綺麗な花は咲かない。育ちそうな芽や苗だけ抜粋して、栄養分をたっぷり取って丈夫に育てる。それでこそ綺麗な花を咲かせてくれるのです。
リスティング広告でも、あらゆるキーワードを設定して配信しているだけでは、予算を必要のないキーワードに使ってしまうことになります。クリックされないような無駄なインプレッションの発生やコンバージョンしないユーザーのクリックを招いてしまうのです。
キーワードも間引きをしてあげないといけません。
では、どんな時にどのような間引きをすればいいのでしょうか?
チェックポイント
・インプレッションがされていない
・品質スコアが低い
・クリック単価が高い
・クリック率が低い
・コンバージョンしない
・CPAが高い
このような場合、キーワードを一時停止させるという「間引き」を検討する必要があるのですが、ここは慎重に!キーワードを一時停止する前に、改善することはできないか考えてみましょう。
例えば、品質スコアが低くてもクリックされていてコンバージョンしていたら、これは停止ではなく、キーワードと広告とリンク先ページの関連性を高めて、キーワードの品質を改善することを考えましょう。クリック単価が高くてもCPAが低ければ、キーワードのマッチタイプを変えるなどの改善で、クリック単価を下げることができます。
などなど・・・。いろいろな視点から見て、本当に停止させるべきなのかを検討しましょう。
検索クエリ・検索語句
リスティング広告では、検討材料として欠かせないものに「検索クエリ」というものがあります。「検索語句」とも言います。「検索クエリ」とは、ユーザーが、実際に検索したキーワードのことです。広告が表示されたユーザー、クリックされたユーザーが、実際にどんなキーワードで検索したのかを「検索語句レポート」からチェックすることができます。検索クエリは、とても大事な指標で、ユーザーの欲求を示しています。キーワードの追加、マッチタイプの変更、キーワードの一時停止もすべてこの検索クエリをもとに行います。今回は、「間引き」がテーマですので、「停止」という部分で見ていきます。
実際に、GoogleAdWordsの管理画面を参考に見てみましょう。こちらは、以前、弊社で経営者向けセミナーを開催した際のアカウントで、現在は停止しております。
管理画面より、対象とするキャンペーン、広告グループ、期間などを選択します。
図1
図1のように①「キーワード」をクリックし、次に②検索クエリを表示したいキーワードにチェックを入れて、③「検索語句」をクリックします。
図2
図2のように、実際にユーザーが検索したキーワード一覧が表示されます。
図から分かるように、ユーザーが検索したキーワード、クリック率やコンバージョン率などいろいろなデータが分かります。
除外設定をするキーワードを考える
キーワードを部分一致、フレーズ一致で設定していると、設定したキーワードだけではなく、拡張され関連するキーワードにも広告を表示させることができます。関連するキーワードの中には、とても有効なものもありますが、テーマから外れたものや意味違いなどのキーワードが含まれます。そのテーマから外れたものや意味違いのキーワードを除外設定することができます。除外キーワードの設定をしないと必要のないユーザーに広告を表示させ、予算が無駄クリックに流れてしまいます。
図2を参考にしてみましょう。
ここでは、東京で行われる経営者セミナーへの集客をしています。検索クエリをみると、コンバージョンに至る可能性のないユーザーに広告表示されているのがお分かりでしょうか?その中で、矢印部分の「金融 セミナー 東京」を参考にします。今回は金融セミナーではないので、金融関係のセミナーを探しているユーザーに広告を表示させる必要はありません。もしかして、金融に興味があるユーザーが経営にも興味があってクリックされて申込みまで至る・・・なんてこともあるかもしれませんが、今回は「もしかして」の可能性は除いて考えてみます。
この設定キーワードは「経営 セミナー 東京」を部分一致です。部分一致の関連ワードで、「金融 セミナー 東京」と検索したユーザーに広告が表示されました。この場合、コンバージョンする可能性が低いのにもかかわらず、クリック料金が発生しています。結局、金融に関するキーワードで検索したユーザーに広告を表示させたくありませんので、「金融」を除外設定します。
除外設定はマッチタイプを考えて設定しましょう。
マッチタイプの考え方は、部分一致についてのみ、キーワードを設定するときとは少し異なります。
完全一致の除外・・・除外設定したキーワードとクエリが全く同じときだけ表示されない
フレーズ一致の除外・・・除外設定したキーワードを含むクエリの場合、表示させない(設定した語句の並び順も一致した場合)
部分一致の除外・・・除外設定したキーワードを含むクエリの場合、表示させない(絞り込み部分一致と同義)
部分一致でも、設定キーワードのように、関連する語句まで除外してしまうことはありませんので、ご安心ください。
上記の場合、「金融 セミナー 東京」を完全一致で除外したら「金融 セミナー」は表示されてしまいます。また、「金融 セミナー」を部分一致で除外すると「セミナー」を含むキーワードも除外されてしまうので、表示したい「経営 セミナー」も除外されてしまいます。「金融」を部分一致またはフレーズ一致で除外すれば「金融」を含むキーワードで検索しているユーザーには広告を表示させませんので、この場合、「金融」を部分一致かフレーズ一致で除外設定します。
除外設定は、図1のキーワードボタン下の除外設定ボタンをクリックするか、図2の検索クエリ表示画面でキーワードを選択して設定することもできます。検索語句レポートから不要なキーワードであると判断した場合は、除外設定して無駄を省いていきましょう。
まとめ
リスティング運用には、キーワードの「間引き」が欠かせません。キーワードのクリック単価や検索クエリは常に変動しますので、定期的にチェックしましょう。そして「検索クエリ」はキーワードを見極めるための最重要ポイントです。キーワードの無駄インプレッションや無駄クリックをなくすことは、少ない予算で効果の出る運用の秘訣です。上手に間引きをして、効果を上げていきましょう。
前職はウエディングプランナー。現在は、2人の育児をしながらリスティング広告、Facebook広告などのweb広告運用やセミナーを開催。多角的視点から考える広告運用やマーケティング情報をお届けします。
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