マーケティング
公開日:2017.07.03

今さら聞けないジョイントベンチャーとは?

 

中小企業のビジネスシーンで、ジョイントベンチャーには2種類があり、共同出資で会社を設立する合弁企業とマーケティングにおける提携ビジネスの意味があります。今回はその中でもマーケティングにおけるジョイントベンチャーについて解説します。

1、ジョイントベンチャーとは?

ジョイントベンチャーとは他社との事業の提携や連携のことを指します。この方法は事業を始めたばかりで、商品はあるものの顧客リストがない場合や売りやすい商品がない場合に有効な手段です。もちろん提携先にもメリットがなくては提携自体が成り立たないので、そう簡単にいくものではありません。

しかし、提携を希望する相手に関連するもので、競合しないものであれば可能性はあります。ハイパワーマーケティングで有名なジェイ・エイブラハムや、日本のマーケッター神田昌典さんも著書でジョイントベンチャーの有用性を解いています。

少し前のジョイントベンチャーの事例としては、ユニクロとビックカメラの「ビックロ」が有名でしょう。同社の顧客層が似ていて互いにメリットがあるということでの業務提携です。他にもLINEとサイバーエージェントも「潜空のレコンキスタ」というゲームでジョイントベンチャーをしています。このような大きな会社ではなくても、もっと身近にもジョイントベンチャーの事例は転がっています。

最近はクレジットカードの明細書もWEBになっているので、もしかするとあまり郵送の明細書をチェックをしたことがないかもしれませんが、クレジットカードの請求書の中には、たいていチラシが数枚入っています。提携先(場合によれば広告主)の企業の割引や健康食品や化粧品のチラシが入っているのを見たことはあるでしょう。また、Amazonで商品を購入した時に、箱の中に、ブックオフやその他の中古ショップのチラシが入っているのも見たことがあるでしょう。これもある種のジョイントベンチャーの一例です。

リアル店舗でのジョイントベンチャーの実例もあります。洋服などのセレクトショップでは、イベントということで、メイクアップアーティストを呼び、洋服に会うメイクをするイベントがあります。他にも、着物店にメガネショップのオーナーが出張してきて、着物に似合うメガネを選ぶというイベントも見たことがあります。ファッション系であれば、関連商品はたくさんあるのでコラボしていくことはそれほど難しくはないでしょう。最近はあまり見なくなりましたが、昔はよく書店の語学コーナー付近に英会話のブースがあって勧誘を行っていました。これもジョイントベンチャーです。

この様に世の中には数多くのジョイントベンチャーが存在しています。新しい販路を築きたい、自社の集客力や顧客リストだけでは厳しい、売れる商品がないという場合には、ジョイントベンチャーの手段も検討してみてはいかがでしょうか?

2、ジョイントベンチャーのメリット・デメリット

ジョイントベンチャーにもメリットとデメリットの双方があります。メリットで大きいのはコスト面と専門分野以外で戦えることです。デメリットとしてあげられるのは、自社だけでコントロールが効かなくなる部分と金銭面でのトラブルがよく発生します。両方をよく吟味して、提携するようにしてください。

2−1経済的に有利

リストを持たない企業にとってのジョイントベンチャーのメリットは 広告費をかけずに見込み客にアプローチできる点です。もちろん全く費用がかからないわけではありません。そこから販売等に繋げた場合には、提携先に数十%かのロイヤリティーが発生しますし、印刷物を同封してもらう場合には、印刷コストもかかります。

しかし、あなたが通常かけなくてはならない広告コストに比べれば、はるかにリスクは少ないです。しかも、すでに関連商品を購入している客層に相乗りでアプローチするわけですから、購入確率ははるかに高いはずです。自社が不得手とする部分を他社で、他社が不得手とする部分を自社で引き受けることで、WIN-WINの関係を築きます。

またハウスリストや販路先、営業力はあるけど、売れる商品がないという場合にもメリットは多くあります。自社の宣伝力・営業力を活かすことで、商品開発のリスク、在庫リスク、サポートの問題など様々なリスクを商品提供先と分担でき、自社の得意な宣伝や営業に特化することが出来ます。

双方でノウハウや技術の共有をすることで、新しいことにチャレンジできたり、資金面でも2社で分担することで、コストが下がります。双方にメリットが多い世界的に有名なマーケッターであるジェイ・エイブラハムもその著書の中でジョイントベンチャーを勧めています。

2−2相手の信用に相乗りできる

その他には、提携相手が自社よりも大きな企業であれば、相手の信用を借りて宣伝ができます。特に大手と取引することができれば、自社の信用はぐっと高くなります。大手企業がお勧めするということは、それだけ影響力があります。ジョイントベンチャーが成功すれば、提携先の信用の上にビジネスを軌道に乗せることができます。

2−3自分の専門分野以外のビジネスができる

ジョイントベンチャーの魅力には、自分の専門以外の分野に進出できるメリットがあります。例えば自分が専門家でなくとも、専門家にコンテンツを依頼し、自分がマーケッターとして販売する方に特化できます。

これができれば、あらゆるジャンルにアイディアさえあれば進出していくことができます。自分の得意分野と相手の得意分野を合わせて市場に出ていくことができるため、両者にとってWIN-WInの関係が築けるのです。

ジョイントベンチャーのデメリット

しかし、ジョイントベンチャーもいいことばかりでありません。もちろんデメリットもあります。1番のデメリットは、すべてを自社完結で管理できないことでしょうか。

提携先がいるということは、双方に自社の信用を相手に預けることになります。ということは、提携先を間違えるとクレームが発生し信用を落とす恐れもあります。ですから、提携先はしっかりと見極める必要があります。こどもチャレンジで有名なベネッセはIT企業とのジョイントベンチャーが原因で顧客情報の流出事件が起こり、イメージダウンに繋がりました。

また、ジョイントベンチャーの事例ではありませんが、新聞の購読ではよく業務委託先が強引な勧誘をしたがために、出版社自体のイメージが悪くなるということがありますよね。NTTやソフトバンクなどの通信キャリアの代理店制度でも同じようなことが起こっています。

それと同じように、自社ではコントロールできない部分で被害を被る可能性もあります。このように、ジョイントベンチャーは得るものが大きいものの、失敗した場合にはリスクも伴います。ですので、パートナー選びは慎重に選びましょう。

またジョイントベンチャーの場合、利益が分配されます。リストを借りる場合はロイヤリティーや手数料が発生しますので、自社のみで事業を行うのに比べると収益は減ることになります。自社でも売れる自信がある、開発できる自信がある、などといった場合には後々の利益率の事、事業判断のスピード化などを考えると自社完結で行なった方が良かったというケースも出てくるでしょう。

3、提携先を探すために必要なこと

まず考慮しなくてはならないのは、自社と同じような客層を持つ業界や企業を探すところからはじまります。お互いにメリットがなくては成り立ちません。

自社に顧客リストがない場合などは特にそうです。もし自社にもある程度の顧客リストがあれば、自社リストに提携先企業の商品を、提携先の企業には自社の商品を、とリスト交換を行い互いに相乗りすることができれば、すぐにでも提携出来てしまうでしょう。

リストがない場合には、例えば、DMのコストを半分持つとか、売り上げの何十%を支払うなど、相手のメリットに訴えます。もちろん、あなたの扱っている商品が素晴らしいものであることが前提になります。ジョイントベンチャーで他社商品を自社のリストに勧めるということは、勧める方にもリスクがあります。変な商品を勧めた場合に、信用が落ちてしまうからです。この部分は相手も相当慎重になりますので、提案する商品は選ばなくてはなりません。

自社をしっかり分析してみる

ジョイントベンチャーを仕掛けたいと思った時にまずしなくてはならないのは、詳細な自社分析です。自社の強みをよく理解していなくては、他社との提携はうまくいきません。自社の強みを理解したら、今度はその強みを生かせる他社を探します。

提携先の企業が自社のノウハウや強みを生かした場合に、どういった展開が予測されるのか、どういったメリットが出てくるのかがイメージできれば、提携の糸口になります。完全に商品がバッティングしている場合は難しいですが、関連商品や、一見同じように見えても専門分野が違うなどで連携が取れるものもあります。提携を希望する業界や相手企業については、詳細に分析してみましょう。

4、ジョイントベンチャー提案が受け入れられない理由

オファーを出したものの、なかなか先方から承諾を受けられないということもあると思います。一体何が原因なのでしょうか?

4−1そもそも相手にメリットがない

そもそもオファー自体がお粗末でジョイントベンチャーとして成り立たないものである可能性があります。よく自社と相手を分析し、互いにメリットがあるような提携内容なのかを再度確認してみましょう。自社だけにメリットがあるようなオファーではもちろんどの企業も相手にはしてくれません。

4−2WIN-WINの関係が成り立っていない

ジョイントベンチャーが上手く行くのは、WIN-WINの関係が成り立つ場合です。見かけ上の報酬設定を大きくしたところで、実際の利益配分が対等ではないと思われた場合には成り立ちません。不誠実だと受け取られます。

4−3信用されていない

あまりガッついているように思われると相手にしてもらえないケースも多いでしょう。ジョイントベンチャーの鉄則として、「お金に困っていそうな人をパートナーにしない」というものがあります。そういう人は人を利用してやろうという意識が強いので信用されません。

また、実力がない人ほど、すぐに提携してやりましょうという話が出てきます。あなたがもしそのようなアプローチを行っているようであれば、なかなか了承してもらえないというのは当たり前の話です。相手はビジネスの荒波をかき分けてきた社長ですから、利用しようなんて魂胆ではすぐに見透かされてしまいます。

商品の信用度が低い場合はもちろん、提携先の企業の作業が増えることは嫌われます。フライヤーを1枚同封する程度であれば問題はないでしょうが、提携先に問い合わせが殺到したなど、通常業務以外の手間が増えてしまうと嫌われます。その手間に比べてメリットが大きくない場合には、嫌がられる可能性は考えられます。ジョイントベンチャーを提案する場合には、相手のリスク、手間、コストなどできるだけ少なくなるようにする方が受け入れてもらいやすくなります。

5、ジョイントベンチャーの形態

ジョイントベンチャーを行う上で考えられる形態は、商品やサービスを提供する、オペレーションを全て任せる、リストを借りる、リストを提供する、お互いに共同でビジネス展開するなどが考えられます。これはあなたの業界でのポジションや、ビジネス展開の大きさ、顧客リストの数などで変わってきます。

ビジネスを始めて間もない頃は、商品提供を行うか、営業代行するか、リストを借りるタイプのビジネス展開が考えられます。あなたのビジネスがある程度安定している状態であれば、同レベルの企業と共同でビジネスをするパターンが多くなるかもしれません。

5−1医師と共同開発や、監修でのジョイントベンチャー

健康食品であれば、医師が監修したり、共同開発という手段を取れば信用が上がります。有名な大学教授や有名人とのコラボもそうですね。一般的に権威はとても効果的な手段です。メガネ業界ではJINSがブルーライトカットメガネを医師と共同開発したりしていますよね。健康グッズもよく医師監修のものを見かけます。枕や骨盤矯正グッズ、ダイエットグッズなども医師監修のものが多いです。

同じような商品があったとして、医師監修とそうでないものだと医師監修のものを選んでしまうのが消費者の心理です。実績がなく、大手との共同ビジネスが難しいようであれば、権威とのジョイントベンチャーを検討してみるのも良いのではないでしょうか。

5−2本の著者やスポーツ経験者とのジョイントベンチャー

ノウハウであれば、本の著者やスポーツ経験者と共同でノウハウ系の教材を作るのもジョイントベンチャーです。ノウハウなどを持っていても、ビジネスにつなげられる人は少ないため、あなたにそのノウハウがあれば提携することで、その権威を借りてビジネスを展開することができます。

ビジネスノウハウ以外にも、楽器の弾き方やテクニック、受験対策、トレーニング法、手品、いろいろなものが教材として提供することができます。もちろん、あらかじめビジネスとして成り立つかのリサーチは必要ですが、そのような権威とのコラボは可能です。

こちらの真意を伝え、お互いのメリットが同意できればジョイントベンチャーとして成立させることはできます。お互いのビジネスの強みを活かしながら、パートナーとしてやっていける企業を見つけるという意味では、ジョイントベンチャーはとても魅力的な方法ではないでしょうか?

5−3アフィリエイトもジョイントベンチャー

アフィリエイトも実はジョイントベンチャーの一例です。アフィリエイターが持っている顧客リストやサイトの宣伝力に自社の商品を紹介してもらうわけです。トップクラスのアフィリエイターになると、報酬次第で効果的にアピールしてくれるため、短期的に収益を上げることができるようになるでしょう。

アフィリエイトの利点はアフィリエイターに対する報酬は成果報酬型なので、売れてから支払うことができる点です。広告費を事前に支払う必要がないので、事業を始めたばかりで資金が少ない時には重宝するでしょう。

6、提携企業との関わり方

ジョイントベンチャーでは相手との関わり方も注意が必要です。つまりビジネスパートナーですから、相手との関係性が重要です。お互いに尊敬し合える、対等のような関係が理想です。もちろん、ケースバイケースですから、リストを借りるような場合は、下手に出る必要があるかもしれませんが、卑屈になるのはいけません。あなたはあくまでパートナーとして相手と付き合っていく必要があります。WIN-WINの関係構築が大切で、下請けのようになってしまっては意味がないのです。

ビジネスパートナーですから、お互いに相手に貢献できる関係性や、相手のメリットを第一と考えてあげられる関係性が理想ですね。特にリスト提供をしてもらう初期の頃には、相手の手間を考慮し、こちらからスムーズに展開できるように、下準備も怠らない方がいいでしょう。

顧客リストは企業にとって財産です。長年、時間とコストをかけて関係構築してきた顧客リストはとても重要なものです。それを貸してもらうということがどういうことかは理解しておく必要があるでしょう。場合によっては、提携相手がその顧客リストとの信頼を破壊してしまうことすらあるのです。

契約書はどうするか?

ジョイントベンチャーで業務提携を行うことに決まった場合は、何かしら書面で残しておく方が賢明です。ジョイントベンチャーが破綻する理由の多くは最終の金銭関係です。

利益配分やロイヤリティーなど金銭に関することは書面に残しておいた方が後々のトラブルを避けるためにもいいでしょう。もちろん、関係構築がなされている場合はこの限りではありません。しかし、親しき中にも礼儀あり、ですから簡単なものでも契約書は交わしておきたいものです。

関係性が遠い場合は、もちろん契約書は事細かに交わしておく必要があります。仮に途中で中止になって損失が発生した場合には、契約書がなければトラブルになります。トラブルを未然に防ぐ意味でもビジネスでは契約書は必要でしょう。

まとめ

ビジネスではスピードが命です。自社完結のみでは時間がかかりすぎる場合やリスクが大きすぎる場合がありますので、マーケティングにおけるジョイントベンチャーの手法では双方に持つリソースを融合させる事で、競合他社と比べてスピード感のあるビジネス展開ができるでしょう。

適切な戦略を立てた上に、信頼できる適切な提携相手が見つかれば、積極的な事業展開も選択肢の一つになるでしょう。

ダイレクトマーケティング専門インターネット広告代理店が発信する「無料メールマガジン」
LINE@で購読する
avatar
執筆者:藤 勝行 (http://xlab.co.jp)

4年間経営した会社を倒産後、再度起業したインターネット広告代理店(エックスラボ)を3期目で年商約10億円グループにまで成長させる。集客をしたい中小企業の経営者や大手企業の担当者、同業他社までも参加するセミナーを開催する起業家。広告マン兼マーケッター。

この記事が気に入ったらいいねしよう!

最新記事をお届けします。

ソーシャルで記事を共有する

facebookでコメン卜する

記事にコメントを残すコメント数:0

※がついている欄は入力必須です

カテゴリー別で探す お悩みごと別でコンテンツを探す